書籍・雑誌

2009年8月20日 (木)

水戦争

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水戦争―水資源争奪の最終戦争が始まった (角川SSC新書) (新書)
柴田 明夫 (著)

地球から水がなくなる・・・世界で起こる水戦争とは?

石油の高騰などよりも、最も懸念すべき資源の問題は、世界的な水不足。やっかいなのは石油や石炭などの資源と違って、水には代わりになるものがない。

最近の国連の報告書によれば、「2025年までに世界人口の半分に当たる35億人以上が水不足に直面する」恐れがあるという。

水問題の専門家、ピーター・H・ブライク博士によれば、「人間が生存するには1人1日当たり最低50?の生活用水が必要だが、平均してそれ以下の生活用水しか使用できない国が55カ国もある」。
    
実際、現在、世界人口の2割に当たる12億人が不衛生な水しか飲めない生活を強いられている。

実際に、ヨーロッパ、インド、アフリカ、アジアなどでは複数の国家をまたいで流れる「国際河川」での開発や取水をめぐる紛争が起きている。
(例)コロラド川(アメリカ・メキシコで水の過剰利用と汚染)
   ヨルダン川(イスラエル、ヨルダン、レバノン他で水源地域の所有と水配分)
   チグリス・ユーフラテス川(トルコ、シリア、イラクで水資源開発と配分)
   漢江(韓国・北朝鮮でダム建設と環境)
   ナイル川(エジプ、スーダン、エチオピアによるダム建設と水配分)
   ドナウ川(スロバキア、ハンガリーによる運河の為の水利用)など

中でも、水資源の利用量が世界の他の地域と比べて圧倒的に高いアジアで今後、水戦争が頻発する危険性が高い。

コンビにでは500mlのペットボトルの水が100円以上する。
確かに今では水は石油より高い?かもしれない。
水は大切に使わなければならない、と痛切に感じた今日この頃である。

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2009年8月 3日 (月)

御乱心

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御乱心―落語協会分裂と、円生とその弟子たち (単行本)
三遊亭 円丈 (著)

シュールな三遊亭 円丈の落語に誘われて落語にハマってしまったワタシ。
最近では落語そのものにも興味を覚え、関係する資料などを読んでいる。

で、この「御乱心」は昭和53年に起こった落語協会分裂騒動に翻弄される“円生とその弟子たち”を当事者であった
三遊亭 円丈自ら筆を取り一気に書き上げた顚末記である。

登場人物の名前は全て実名で、架空の人物は一切出てこず、著者によれば95%は事実で残りの4%は細かい言い回しや構成順序の僅かな違い、そして1%はギャグとの事である。

しかし、当時の人間模様のドロドロさは鬼気迫るものがある。
特に円楽に対しては、私怨が籠っているだけに迫真の描写で赤裸々に綴られている。

ワタクシ、「笑点」という番組が好きにはなれなかったが、今思えば“円楽”が好きになれなかっただけかもしれないなぁ・・・とこの「御乱心」を読みながら感じた次第。

で、先日、「川柳川柳・三遊亭圓丈二人会」をにぎわい座で楽しんできたのだが、川柳川柳(当時はさん生)も当事者である。
そして、三遊亭圓生の残り少ない?弟子で現役落語家でもある二人である。

まぁ、これからもお二人で新作落語で我々を楽しませてください。

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2009年6月30日 (火)

コンクリートが危ない

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コンクリートが危ない (岩波新書) (新書)
小林 一輔 (著)

職業柄“コンクリートがヤバイ”と常々感じていたが、この本を読み確信に変わっていった。

冒頭の山陽新幹線高架橋のひび割れや腐食の実態の写真は結構ショッキングである。
これは適正な材料を使わなかったこと、や施行技術が不十分だったからである。
で、お上もこれではイカン!ということで橋脚の補強工事を10年ぐらい前から行なってはいるが、公共施設は予算もあり耐震診断は出来るが民間の建物はそうはいかない。
特に東京オリンピックが開かれた1964年を境に著しく劣化しているのだという。

2005~2010年にコンクリート構造物が一斉に壊れ始める、と著者は警告している。
(この本が出版されたのは1999年である)
壊れ始める、とされる著者の根拠は実に説得力がある。

それにして大正時代や昭和の初期に施行された建造物がいまだに無傷で残っているというのも事実である。
先人達は基本に忠実にコンクリートを調合・施行したのである。
理論上は200年の耐久性をもつはずのコンクリート構造物が、今では負の遺産として全国に数え切れないほど建造されている。
地震災害のほとんどは“人災”なのかもしれない。

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2009年6月11日 (木)

ビーサン屋げんべい物語

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ビーサン屋げんべい物語―葉山の片隅から世界を狙うオンリーワン商店 (単行本)

たかがビーサン、されどビーサン・・・

葉山にある江戸末期から続くよろずや“げんべい
もともとは足袋職人の店だったそうな、で三代目で小売業に転換し、四代目からビーサンを扱い始める。
そして五代目が試行錯誤の末にそのビーサンで葉山を代表するオンリーワン商店に仕立て上げた。

ビーサンにここまで情熱をかけて本気で取り組んだ人間はいないだろう。
真夏の太陽のようにビーサンにかける迸るような情熱が眩しい。

ゆったりとした「葉山時間」が流れる中で、自然体でシンプルな生き方をしたい。
読みながらそう思う。

最近では東京でも“げんべい”のTシャツを着た人を良く見かける。
そしてこれからビーサンの季節もやってくる!
何故か?この時期になるとビーサンのようなシンプルな生き方?に想いを馳せるのは
ワタクシだけ・・・・・?

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2009年3月26日 (木)

都市と交通

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都市と交通(1981年) (岩波新書)
岡 並木 (著)

出版は1981年だから今から28年前になるが、その内容はいまだに色褪せていない。
で、この本の出だしの“ツカミ”の部分だが実に納得させられる。
東南アジアの人々の通勤交通費は非常に高く、収入の1/3~1/4を使っているという。
これは東南アジアの都市で「抵抗なく歩ける距離」は100~200メートルという統計結果からもわかるとおり、その都市の気候条件がその距離を大きく左右しているという。

ちなみにヨーロッパではその距離は400メートルで気温が零下5度以下になると200メートルになる。

確かに東南アジアの都市では様々な乗り物が走っている。
ジャカルタでは「ペチャ」、シンガポールでは「トライショー」、マニラでは「ジプニー」、バンコクでは「トクトク」など自転車やジープ、軽四輪などを改造した乗り物が多い。今では交通事情などにより激減しているものもある。

ワタクシ、香港とシンガポールでしばらく暮らしていた時期があり、どちらの都市でもタクシーとバスにはだいぶお世話になった。しかも料金も安かった。
特にシンガポールでは赤道直下ということもあり一年を通して気温が30度以上あり、その炎天下を30分以上歩くなんて考えられないことで、近距離でもタクシーを利用していた。

そんなシンガポールのオーチャード通りでは政府が「抵抗なく歩ける距離」を伸ばす計画が1970年代から始まり歩道に木を植えて木陰を作っていった。
今では多くの住宅地でもこのような整備が進んでいる。
ワタクシもオーチャード通りの近所に住んでいたので実感できる。
日本では地下道がこれにあたるのかもしれない。

で、現在の日本の「都市と交通」を考えると東京への一極集中は変わりなく、朝のラッシュは変わらず、地下鉄の乗り換えはよくわからず、駅前の放置自転車問題は解決されていない。

世界の各都市でも同様の交通問題はあり、これは永久に続くものだろう。
最近では「パーク・アンド・ライド」という計画もあるが、多くの通勤者には関係ないものである。
通勤という時間と金とエネルギーの浪費は個人的には無駄だと思うのだが、さりとて地元で職を得るのは難しい。
これが現状であり、長距離通勤者の地獄はこれからも続くのである。
イカン!愚痴っぽくなってしまったが、この本を読みながら交通問題を考えて通勤ラッシュの電車に乗る今日この頃なのである。

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2009年1月26日 (月)

「散歩学」のすすめ

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「散歩学」のすすめ (中公新書ラクレ) (新書)
古川 愛哲 (著)

ワタクシの趣味は“散歩”である。
思えば若い頃から“散歩”が好きだったかもしれない。
古道歩きから野山を歩く“トレッキング”
北アルプスを散歩する縦走登山、沢を散歩する沢登り、岸壁を散歩するロッククライミング、
海の上を散歩する“セーリング”
海の中を散歩する“スキューバダイビング”
空を散歩する以外は全てやってきた。

で、この“散歩”なのだが実にお手軽に知性と感性を磨いてくれるのである。
そのコツはこの本に紹介されている。

フィールドワークという研究手段があるが、地質、鉱物、生物、植物、歴史、民族、音楽などなどフィールドワークで研究されている学問は多い。
で、このフィールドワークだが、“散歩”の延長線上に位置しているのかもしれない。

この「散歩学」のすすめの中で面白い“散歩学”の記述があった。
それは洗濯物のレイアウトから夫婦関係を研究するという立派な学問があるというのである。
これはフランスの社会学者が研究しているらしいが、プラバシーの侵害がチョット心配だなぁ・・・

また、著者は“散歩”はノン・アルコールでコーヒーを楽しんでいるが、ワタクシは“散歩”の途中で居酒屋や立飲屋に乱入し、人間交流関係の勉強もしているのである。

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2009年1月20日 (火)

すぐわかる日本の神社」と神話の祭礼

先月のある日自宅に小包が届いた。
開けてみると1冊の本が入っていた。

で、思い出した。この本は写真を掲載する謝礼として送られてきたということを・・
その本とは、
「すぐわかる日本の神社」
『古事記』『日本書紀』で読み解く (単行本)
という日本の神話と神社の結びつきや成り立ちを丁寧に解説してくれている。

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掲載されたワタクシの写真とはどんなものなのか?
横須賀で神話と結びつく神社とは?

それは走水神社の祭礼の写真で、神社の起源である日本武尊(ヤマトタケル)と弟橘媛(オトタチバナヒメ)の伝説を神輿を担ぎながら表現している。
この祭りは約300年ほど前から行っているとも言われる伝統行事である。

この祭礼は実に楽しい!
横須賀の皆さん、是非一度見てください。

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2008年12月 9日 (火)

MANGA CVN73

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先日のグランドイルミネーション(基地一般開放)の時に配布していたのが「MANGA CVN73」である。
これは原子力空母CVN73-USSジョージワシントンをPR・紹介するマンガで、先の6月8日に先行して配布していたものと同じで最近ではWEB上でPDFファイルで無料提供されている。

内容は主人公の日系米国人ジャック・オハラ3等兵曹がGWに初めて乗り組み横須賀へ航海する途上、訓練などを通じて成長し、横須賀到着後は鎌倉に住む祖父母に会いに行くというものである。

ジョージワシントンの横須賀配備に伴い、最近ではテレビでもジョージワシントンを紹介する番組が多い。
先日(12月7日)もテレビ東京の日高レポートで管制室の中や発着艦の模様を詳しく放映していた。

で、違う番組でもジョージワシントンを紹介していたが、個人的に興味深かったのは備蓄部門ではメガネの全てのタイプのあらゆる度数のレンズがストックされているということである。

まぁ。5600人以上が乗船しているわけで洋上の町と考えれば当たり前のことなのだが、その施設の充実振りにはあらためて驚かされたのである。

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2008年10月 8日 (水)

梅干と日本刀 Part2

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(昨日からの続き)
タイトルにある「梅干」だがこれは日の丸弁当の梅干を指している。でこの大量の白米と一粒の梅干だが、これが胃の中に入ると、この梅干ひと粒が、九十九パーセントの米の酸性を中和し、米のカロリーは食べたほとんどが吸収される役割を果たす。つまり、日の丸弁当は食べてすぐ、エネルギーに変わる、労働のための理想食なのである。

鉄の精製にはコークスという高温の熱を出す燃料が必要なのだが、日本には木炭という低温燃料しかなかった。この不利な条件が逆に“鍛えて焼きを入れる”という知恵を生んで、世界一の刃物「日本刀」を生み出した。粘土で刀の背の部分を覆い、水の中で焼きを入れる。こうすることにより、粘土で覆われていない部分は硬くなり鋭利な刃物となり、覆われている部分は柔らかくなる。こうして一本の刀で硬く鋭利な部分と柔らかく折れにくい部分という相反する性質を持たせたのである。
当時西洋人がこの刀を持ち帰ったが、同じものを作ることが出来なかった。

著者は常に行間から「日本人とは何か」ということを問いかけ、その素晴らしい実例から我々を豊かな大和文明へと誘ってくれる。
そう、著者はいつも優しい目線で日本を見つめ見守ってきたのである。
そして我々に今の世で忘れてはならない“大和の心”を諭してくれる。

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2008年10月 7日 (火)

梅干と日本刀 Part1

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梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)
樋口清之著

昨日にもチョット触れた「梅干と日本刀」だが、この本を読むと我々の祖先はこんなにも素晴しい知恵と独創性があったのか、と驚かされる。

現代の我々日本人の基本的な認識や考え方は明治以降に積極的に取り入れた欧米文化によって強制されてしまい、本来我々の祖先から受け継いできた知恵や自然順応力、独創性などは忘れ去られてしまっている。

古来日本には素晴しい技術を持っていたのである。
例えば、土木技術では釜無川の信玄堤と鎌倉市材木座の防波堤がある。

信玄堤は、武田信玄が甲府盆地を流れる釜無川の鉄砲水を防ぐために、自然の岸壁を利用して水流のエネルギーをそいだり、雁木(がんぎ)堤という突堤を川の中に作ったり、決壊しそうな個所の堤防を切って、その外側に第2 堤防を築いたりして、計り知れない自然のエネルギーを分散させるように非常に精巧に作られている。

また、700 年前に作られた鎌倉市材木座の防波堤は、平たい石の板や石ころを海岸から沖合いに向かっておよそ8 間(約14.5 メートル)の幅で海中に積み重ねてある。こうすると石と石の間に徐々にエネルギーが吸収されて、相当強い波でも海岸近くでは静かな流れに変わってしまう。これは、巨大なコンクリートの壁を築いて“自然を征服する”のではなく、“自然に順応する”という知恵の結晶である。

                             (To Be Continued)

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