「放送ライブラリー」に行ったのはもう一つの理由があったのである。
それは「剱岳 百年目の真実」を見ること。
この番組は2005年の1月2日に放映された。
映画「劔岳 点の記」はこの劔岳の初登頂とこの山頂に三等三角点の設置を巡る物語である。
しかし、芝崎芳太郎は命がけで初登頂に成功したものの、あまりの登山の厳しさに測量基準となる三角点の設置を断念している。
そしてこの時にて測量した劔岳の標高は2998m、その後昭和5年に3003mに、昭和43年に再び2998mに修正されている。
正確な劔岳の標高は何メートルなのか?
いまだに設置されていない三等三角点を山頂に設置すること。
プロジェクトが始動した。
そして、柴崎の時代から百年を経た2006年8月24日、有志達の肩に担ぎ上げられた三等三角点標石が初めて山頂に埋定され、国土地理院の担当官による正式な「剣岳・点の記」が残されたのである。
このプロジェクトを記録したドキュメンターである。
あと2メートルで3000mの山になる。しかし、2998mの標高にも愛着がある。
あと2メートルは昔山屋の現役だった頃ワシらが酒の席でよく話題にして盛り上がったことがある。
で、再測量の結果、劔岳の標高は2999mと発表された。
(標高は小数点以下は四捨五入される)
これには細かい補足が必要である。
明治時代に柴崎芳太郎が劔岳の標高を計算した結果は2998.02m。今回行われた最新のGPS測量では明治時代に認定されなかった60cm高い岩の上が人工物でないとして最高点として認定され、その測量結果が2998.62mである。
つまり岩の高さ分を差し引いて測量された誤差はわずか0.02mだったのである。
この事実にオジサンはカンドーしてしまった。
明治時代、測量器機を使って、手計算により2センチメートルでの誤差で標高を出していた柴崎芳太郎の技術者としての凄さに鳥肌が立つくらいカンドーしたのである。
最新のGPS測量での誤差は数ミリだという。
そして標高の基準となる東京湾の平均海面高さを求めてそれが劔岳山頂直下のどの位置に当たるのか?
地球は緩い楕円形の形でもある。
GPS測量結果から数ヶ月を要して計算を繰り返し導き出された結果が2998.62mなのである。
そして誤差が2センチメートル!とは・・・
柴崎芳太郎氏に脱帽である。
そしてワタクシの心の中では劔岳の標高は2998mである。
なお、国土地理院により作成された三等三角点「剱岳」点の記には選点日時として「明治40年7月13日」の日付が、選点者として柴崎の名が記載されている。
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