イスラム教

2013年9月22日 (日)

「アザーン」とスピーカー

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イスラム圏にお住いの方、あるいは旅行したことがある方ならご存知のアノ!「アザーン」。
1日5回、モスクから聞こえてくる高らかな声、アザーン。ある時は、美しく、朗々と、
またある時はうるさいなぁ、と感じるアノ「アザーン」なのだが、
やはりというか、とうとうというか“やってしまった”お方がいる。
ナント!モスクから流れるイスラム教の聖典コーランを読誦する音がうるさいと、
スピーカーのケーブルを引き抜いてしまった輩がいたのである。
で、この輩だが米国籍の男性で「神に対する冒とく」の容疑で逮捕されてしまった。

詳しくこちら↓
http://blog.livedoor.jp/chinnews/archives/1307781.html

まぁ、気持ちはわからんでもない。
ワタクシも以前ジャカルタのあるホテルに長期逗留していたことがあるのだが、
何の嫌がらせかご近所のモスクのスピーカーがホテルの方に向けられており、
しかも正確にワタクシの部屋の方向にセットされていたのである。

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ドバイのクリーク越しにモスクを望む

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ドバイ、スークからミナレットを見上げる

で、毎朝このスピーカーから流れ出る大音量のダミ声で起こされるのである。
まぁ、目覚まし時計をセットする手間が省けていいのでは?とお考えのそこのアナタ!
それは違います!イスラム教ほど月の満ち欠けや、日の出・日の入りに敏感な宗教はなく、
アザーンの流れる時間はこの日の出の時刻と連動しているので日々変化しており
とても正確な目覚まし時計とは言えないのである。

そうそう、このニュースには誤りがある。
「モスクから流れるイスラム教の聖典コーランを読誦する音」とあるがこれは間違い。
アザーンは礼拝時間が来たことを告げ、礼拝を促す呼びかけなのである。
ちなみにかんなカンジである。

ハイヤー アッラサラー(礼拝をしよう)
ハイヤー アッラサラー(礼拝をしよう)

アッサラート ハイルン ミナン ナウム(礼拝は睡眠よりまさる)
アッサラート ハイルン ミナン ナウム(礼拝は睡眠よりまさる)

アッラーフ アクバル アッラーフ アクバル(アッラーは偉大なり アッラーは偉大なり)

ラー イラーハ イッラッラー(アッラーの他に神はない)

と、まぁこんなカンジで続いていく。

で、この中に(礼拝は睡眠よりまさる)という一節があるのだが、低血圧のお方にとっては
ツライ響きに聞こえるかもしれない。
そして、宗教と血圧、あるいは信仰と血圧には関連性があり、礼拝を行う人は血圧が下がるという
統計結果があるそうな・・・ホンマカイナ。
まぁ、礼拝で興奮状態に陥る人はそんなにいないだろう、ほとんどの人がリラックス、あるいはレイドバック?し
精神が落ち着くので血圧は下がるだろういうことは容易に推測はできる。
そしてその論法で高血圧の人達に宗教を勧誘している人もいるという。
それなら睡眠を続行してやすらかにリラックスし血圧を低く維持したほうが良いのでは・・
とワタクシは思うのだが・・・・・まぁ、どうでもいい話である。

このアザーンだが、スンニー派とシーア派でアザーンの内容が多少変わるという。、
ちなみに上記の例はスンニー派のアザーンである。
アザーンの呼びかけをする人はアッズィンといい、すばらしい美声で朗々と歌い上げるように朗読する人や
すごいダミ声で息も絶え絶えに行う人など千差万別である。
で、モスク密集地帯ともなるとこのアザーンが四方八方から聴こえてきて協演するのだが、
アンサンブルはよくない。

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エジプトのストリート越しにモスクを望む

で、このアザーンの音量だが、イスラエル占領地の西岸ではある一定の音量にすることで合意したらしい。
これはアザーンの音量が大きいとの入植者からの抗議に応じて、イスラエル当局とパレスチナ政府とが
協議のうえ合意したもので、具体的な音響の程度とかについては、それぞれの場所の条件に
応じて現実的に決められ、また金曜礼拝呼びかけのアザーンは町で一つのモスクに限定するという
条件付きでもあるという。
ヤヤコシイ地域でのヤヤコシイ問題でもある。

このアザーンを流すスピーカーだが設置する場所はミナレットという塔なのだが、どの方向に向けるかについては
正しい基準はないらしい。どうやら気分次第で決めるらしいのだが、モスク周辺住民たちはどの方向に向けるかで
密かに争っており、そんな住民感情が渦巻くモスク密集地帯に豪華な高層アパートが建設されようものなら、
各モスクのスピーカーが一斉にそのアパートに向けられたという・・・話もある。
ワタクシが泊まったホテルも以前近隣住民と一悶着あったのかもしれない・・・・・・
(手持ちの写真などを見ると4方向に取り付けられているものが多い)

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ミナレットに取り付けられたスピーカー

もし近所にモスクがなかったらどうするか?
現代では電子式プレーヤー付のアザーン時計がイスラム社会で広く販売されているのである。
緯度と経度から正確な日の出や日没の時間を計算したりキブラの方角を示す機能もあり、
いつでもどこでも正確な「アザーン」が聞けますので安心してください。
一般的にモスクを意匠としたデザインをしていることが多い。
廉価版のアザーン目覚まし時計はイスラム圏での良い土産でもあります。

そしてこちらで↓各地の「アザーン」を聞くことができます。
http://matt-y.sakura.ne.jp/sound/azhan.html

このアザーンを流すスピーカーだがインドネシアでは「トーア」というらしい。
どうやらインドネシアでアザーンを流すスピーカーの多くを「TOA」という日本企業が作っており、多くのインドネシア人は、
このホーンスピーカーのTOAをローマ字読みして「トーア」と呼んでいるとか・・・・
ちなみにバイクのことは「ホンダ」と呼ばれており、日本企業の底力を感じる。
これ↓
http://www.asahi.com/international/articles/TKY201307110487.html

今は「アザーン」しか放送?していないスピーカーだが今後は津波警報などの防災情報にも活用していく計画だという。
これは素晴らしい。

そして冒頭のスピーカーコードを引っこ抜いた輩なのだが、名はルーク・グレゴリー・ロイド(Luke Gregory Lloyd)さん、
といいインドネシアの法律では、「神に対する冒とく罪」で有罪になれば禁固5年が科される可能性もあるということだが、
残念ながらその後の消息は伝わって来ていない。

何はともあれ朝に「アザーン」を聞かないことには起きた気にならない今日この頃なのである。

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2010年11月21日 (日)

A DAY IN THE LIFE OF EGYPT

  イスラム教の「犠牲祭」(イード・アル=アドハー)の休日を利用してエジプトへ行ってきた。
古代エジプト信仰から現代のイスラム信仰に亘りこの地エジプト(カイロ)には信仰のカオスが渦巻いている。
そして眩暈がしそうなその熱気に酔いしれながら街を彷徨う。
信仰というエネルギーを自分達の祭りに昇華させるそのパワーに脱帽した日々でもある。

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2010年7月 9日 (金)

天空とイスラム教、そして「預言者昇天祭」

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七夕から天空に思いを馳せている今日この頃。
で、フト思うのは天空(宇宙)でイスラム教徒の宇宙飛行士はどのように振舞うのか?
ということである。
つまり、宇宙飛行士がイスラム教徒の場合、宇宙船の中でお祈りを行う場合、
高速で地球を一周するため、正確なメッカの方位を判断するのは難しいのでは?
また、イスラム教ではメッカの方角に向かって一日に5回お祈りをする必要があるが、
宇宙船は1日に地球を16周する。
地上では1日5回の礼拝が、宇宙では計算上80回が必要になるという。
これはどうするか?
そして、ラマダンの時はどうするのか?などなどの疑問がフツフツと脳裏をかすめる。

2007年10月にマレーシアの宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに乗り込む時に
この問題に直面したのである
で、マレーシア政府の特別協議会がイスラム教徒の宇宙活動に関する見解を纏めた
18ページの宇宙空間用礼拝ガイドラインを発表したのである。
まぁ、、間単に言えば宇宙でのイスラム法の緩和である。

要約は・・・・
礼拝の方角は宇宙飛行士の判断に委ねられる。
礼拝中に跪くことは、無重力によって困難である場合は強制されない。
断食は、困難ならば宇宙飛行からの帰還以降に延期を認める。実施可能な場合は、
打ち上げ基地であるバイコヌール宇宙基地の標準時を基準とする。
宇宙食に関しては、イスラム法に準拠しているか宇宙飛行士の判断に基づき摂取して構わない
と、いうものである。

1日に80回もお祈りもしていたら寝る時間もないと思うのはシロートの浅はかさ?である。
実はイスラム教では1日に50回のお祈りを預言者ムハンマドは神(アッラー)から
啓示されていたのである。で、いくら何でもそれは多すぎだと思ったのだろうということで
モーゼはムハンマドに回数を減らしてもらように助言し、、再度天に向かい神から
祈りの回数を1日40回に減らしてもらう。
そして、同じことを数回繰り返した結果、祈りの回数が5回になった時、
うやく預言者は天国から降りて、メッカに戻ったというのである。

で、今日はそれを祝う「預言者昇天祭」なのである。
実は、この預言者昇天祭はIsla (Night Journey) と Miraj(Ascent)の二つに分解される。

      

       Isramirajrock

         預言者ムハンマドが昇天した岩 Al-Quds (エルサレム).

預言者はある夜、祈るためにカーバ神殿の近くまで行き、そこで眠ってしまった。
すると、大天使ガブリエルが現れ預言者をつついて起こす。
ガブリエルは預言者を翼を持った白い天馬のもとに連れて行き、
預言者はこの天馬に乗ってメッカからエルサレムにあるエルサレル神殿まで光速で旅る。
ここまでが、夜の旅(Night Journey)。

次が昇天(Ascent)だが、預言者ムハンマドはユダヤ人がよって預言者アブラハムがわが子をあやうく手にかけて殺しかけた場所と信じている聖なる岩まで連れて行かれ、そこから天国に昇る。
天国で彼は、アダム、バプテスマのヨハネ、イエス・キリスト、ヨセフ、エノク、アーロン、
モーゼ、アブラハムといった聖書中の預言者達に会った後、ついに神に出会う
(enter the presence of God)。で、この時に預言者ムハンマドは神(アッラー)から
50回のお祈りを啓示されたのである。

まぁ、80回や50回のお祈りは論外だが、敬虔なイスラム教徒は1日5回のお祈りは欠かせない。そして1ヵ月後にはラマダンが始まる。
一番暑い盛りなので熱中症が心配だ。

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