時の渚
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ダーウィンの使者〈上〉 (ヴィレッジブックス) (文庫)
グレッグ ベア (著), Greg Bear (原著), 大森 望 (翻訳)
イヤイヤ、難しい本である。
何が難しいって生物学、特に遺伝子関連の学術用語がこれでもか!とページになだれ込んでくる。
もう、オジサン途中からワケワカメ状態・・・
そしてこれら記述してあることはほとんど事実で現在進行形の分子生物学情報が駆使された小説である。
それにしてもレトロウイルスの疫病が人類が持っていた進化へのプロセスと紙一重とは!
新しい疫病は新たな人類の進化への第一歩なのか?
[猿人→原人→旧人→現生人類]というプロセスで「猿人→原人」「原人→旧人」の部分を証明する化石がないという。
進化の過程には未だに未知の部分がある。
生物には、生物学的なマスターコンピュータがあり、有利な突然変異が行なわれるとするならば・・・
急激な世代交代で新人類が生まれる可能性がある?
その“新人類”のその後が気になるエンディングである。
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新世界より 上・下 (単行本)
貴志 祐介 (著)
遠い未来はかくものどかな暮らしをしているのか?
そして、そののどかな暮らしは偽りの共同体なのか?
閉ざされた世界で、閉ざされた過去が次第に明らかになってゆく。
過去の人間達の所業は愚かである。
人間はいくら進化・進歩してもその根源である“業”は変わらないのか?
裏に潜む人間の“業”の深さをヒシヒシと感じる。
それにして圧倒的な作者の創造力には感服する。
奴隷として使役されるバケネズミ。
自爆して敵を倒す風船犬。
自走式図書館のミノシロモドキ。
そして、呪力を暴走させる悪鬼と業魔・・・・。
上下巻合わせて1071ページの大作であるが3日間で一気に読んでしまった。
池上永一の「シャングリ・ラ」も面白かったが引けを取らずにこちらも面白い。
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のぼうの城 (単行本)
和田 竜 (著)
現在、NHKの大河ドラマでは「天地人」が放映されており、先々週は「天下統一」ということで小田原の北条攻めが描かれていたが、この北条攻めに三成の姿は見えない。
この時、三成は忍城を攻めていたのである。しかし、結果として三成はこの忍城はついに落城させることは出来ず、小田原城が先に落城したことによる開城となったのである。
秀吉の小田原征伐で戦いで落とせなかった唯一の城である。
で、このことが忍城側の面目躍如となり、忍の浮き城という別名の由来となった次第。
この戦いでは三成の水攻めが失敗に終わり、その不手際が三成の戦下手、武将失格?を印象づけているのが面白い。
この「のぼうの城」は、のぼう様と呼ばれる城代と敵役の石田三成の戦いを描いたものだが、こののぼう様が実に魅力的である。
こういう“人間”を描いた歴史小説はホント面白いと思う。
現代の指導者も少しは見習って欲しいと切に思う今日この頃である。
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無限連鎖 (文春文庫) (文庫)
楡 周平 (著)
日本の冒険小説もなかなか面白いではないか、と気づかせてくれた一人に楡 周平氏が
いる。
10年ほど前に「Cの福音」で衝撃的デビューをし、“悪の朝倉恭介”を我々の脳裏に刻
みつけシリーズを続々刊行していき、それと平行して“正義の川瀬雅彦”を登場させ、
「朝倉恭介」( Cの福音・完結編)で二人を対決させる。
イヤイヤこの一連のシリーズは面白かった。
で、この「無限連鎖」はあの悪夢の“September 11”(同時多発テロ)から始まる。
そしてこれをきっかけに連鎖的に起きる悪夢のテロ。
無差別な大量殺戮ではなく経済活動を破壊させる。
この未曾有の大規模テロの連鎖はやがて日本にまで及ぶのだが、物語的に次第に尻つぼ
みになってしまいワタクシ的にはチョット残念である。
しかし、物語は結末も近づき、人々の想いが交錯する中で緊迫した出来事が続き、再び
盛り上がる。
そして決断の時が迫ってくる。
このテロを想定外の出来事だと高をくくる事なかれ!
現実に起きる可能性はゼロではない。
平和ボケした日本に活をいれる小説である。
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ロマノフの血脈 上巻 (単行本)
スティーブ・ベリー (著), 富永 和子 (翻訳)
「ファティマ 第三の予言」「テンプル騎士団の遺産」など一連のスティーブ・ベリーの作品を読んできた。
この「ロマノフの血脈 」はこれらの作品よりも前に発表されている。
ロシア革命時にニコライ二世皇帝一家は全員が虐殺された。
その後、共産主義体制はロシアを支配したが、国境を越えた経済の自由化が共産主義体制を事実上崩壊させてしまっている。それが今のロシアの現状であろう。そして不安定な経済状態が続いている。
で、人々は堅固だった帝政復古を望み、その候補者を選定していくのだが・・・
(この小説はフィクションである)
そんなロシアの社会的情勢からこの歴史ミステリーは始まっていき、
そして、祈祷僧ラスプーチンの予言通りに物語は進んでいく。
特に皇女アナスタシア伝説は有名でもある。
このあたりが欧米の人々の興味を引いてやまない理由なのかもしれないし、
ロマンとミステリーに溢れている。
で、今でもイングリッド・バーグマン主演の映画やディズニーのアニメが有名である。
でも我々日本人には帝政ロシアの時代の歴史土壌や認識はまったくない。
だから読んでいても物語にすんなりとは入っていけないもどかしさはあった。
しかし、後半はスリリングなジェットコースター的冒険活劇とあいなり、ページをめくるスピードも早くなり、一気にラストへと突入していく。
そしてロシアには正当な血筋の帝政が復活するのか?
イヤイヤ、オモロイです!
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テンプル騎士団の遺産 (単行本)
スティーブ・ベリー (著), 富永 和子 (翻訳)
“キリスト教”の隠された歴史が面白くなり関係する本をいろいろと読んでおり、先日はスティーブ・ベリーの「ファティマ 第三の予言」を読み、ローマカソリック教会の裏側を垣間見た?のだが、今回、スティーブ・ベリーさんはキリスト教の本質である“キリストの復活”の謎を説いてゆく
そして、この小説は個人的に興味あるキーワードである「テンプル騎士団」が全面的に表に出て、その歴史や信仰心、そして陰謀・権力の回復、欲望などが実になまめかしく描かれている。
なによりも古代には莫大な富を持ち、王や教皇たちに勝る絶対的な権力を有していた「テンプル騎士団の遺産」を捜し求める謎解きも面白いし、その中に隠されていた“キリストの復活”の真実が興味深い。
この小説はフィクションなのだが、意外と“キリスト教の真実”とはラストで描かれているような“出来事”だったのかもしれない。実に説得力がある。
それにしても、スティーブ・ベリーさんの詳細はよくわからない、というよりはそのプロフィールは隠されているようである。
これがイスラム教だったら命を狙われてもおかしくはないからなぁ・・・・
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ファティマ 第三の予言 (単行本)
スティーブ・ベリー (著), 富永和子 (著)
「ダ・ヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」などダン・ブラウンの一連の小説や映画の影響で“キリスト教”の隠された歴史が面白くなり関係する本をいろいろと読んでいる。
で、この「ファティマ 第三の予言」も“キリスト教”の隠された歴史がベースになっている。
“ファティマの聖母”あるいは“ 第三の予言”については以前友人(その手のオタク)からその詳細を聞かされてはいたのだが、実際この本(フィクションだが、大筋では事実を記述してある)を読んで、そのあまりにもリアルなディテールの記述に正直驚いた。
この「ファティマ 第三の予言」であるが、実はバチカンによって公開されている。
ただし全てではなく一部がまだ公表されていない。
それは一体どのようなメッセージなのか?
この小説はそれを巡る謎解きゲームでもある。
まぁ、キリスト教は簡単に言ってしまえば“ユダヤ教キリスト派”であり、時の権力を握っていたローマ帝国に都合よく利用されてきたわけで、聖書も彼らの都合により編集されてきた経緯がある。
“何故 司祭は結婚してはいけないのか?”“何故女性の司祭がいないのか?”といった素朴な疑問も中世バチカンの教皇により勝手に作られた化石のような規則によるものであり、本来の教祖である“イエス”の教えとは違うでしょうと誰でも純粋に考えることである。
バチカンの教皇の“教え”が絶対であり、それを継続させていくことが強固なカトリック教会と位置づけているのであろう。
だからバチカンはそれを懸命に死守するのかもしれない。
宗教(信仰)と人間の幸せは両立させることが出来るのか?
実に奥深い「命題」を光と共に現れた“聖母”は我々に問いかけてくる。
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数学的にありえない〈上〉 (単行本)
アダム ファウアー (著), Adam Fawer (原著), 矢口 誠 (翻訳)
「数学的にありえない」という邦題がついており、最初はセンスがないなぁ・・と感じていたが、原題は「improbable」だという。直訳すると「確率的に起こりそうもない」という意味になり、ストーリーの内容からするとこちらの方が正しいのだが、読み手の興味をそそるという観点では「数学的にありえない」というタイトルは面白い。
で、読み始めると確率論から統計論、そしてハイゼンベルク、マクスウェル、シュレディンガー、ラプラスの魔、不確定性原理に量子物理学と続き集合的無意識とくる。
ここまで来るとオジサンにはワケワカメ。でこの集合的無意識で仏教の悟りが解明できるという!?
そんなことは 仏教的にありえない!?
話を戻す。ストーリーはこの集合的無意識を持つ主人公を巡る国際情報ミステリー&アドベンチャー小説なのである。
ナンノコッチャワケワカラン状態であるが、読めば分かる。この本は面白い!!
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