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2015年2月26日 (木)

昔(カメラ)の記憶 『カリブ海 ロアタン島』 Part-2

「カリブ海のぶったまげホテル  その2」

ロアタン島、正確にはロアタン諸島「ISLA DE BAIA ROATAN」なのだが、
我々はその中の一つの島に行く。

実はこのロアタン諸島、映画のロケに使われたことがある。
スティーブ・マックイーンとダステイン・ホフマンが共演した
パピヨン」という映画で、切り立った断崖絶壁の無人島からの脱出ものという設定だったが、
我々の行く島は珊瑚礁のラグーンに囲まれた島である。

ダコタは高度を下げタッチダウンしたが、振動が激しすぎる。
で、よく外をみたら、ナント、滑走路が舗装されていないではないか!
赤っ茶けた地盤が露出しており、ダコタは赤い土ボコリを巻き上げながら滑走している。
(エライところに来てしまった!)
訳がわからない不安が一瞬脳裏をかすめる。

ダコタから降りて周りを見ると屋根をヤシの葉で覆った小屋が一軒
あるだけである。小屋といっても柱が4本とヤシの葉で覆った屋根だけで、
中に小さな机があるだけである。

ここはアメリカからの発着便がある、インターナショナル・エアポートのはずでは?
ということはイミグレはあの小屋でするのか?
そんな事を考えながらホテルの送迎ジープ?にのる。
この送迎ジープには屋根も座席もない。
ホテルの迎えの者は何の躊躇も、いたわりの言葉もなく我々を後部の荷台に乗せた。
(余談ではあるが、私はネパールで送迎牛車なるものにも乗せられたことがある)

送迎ジープは寂びれた町を抜け、山道に入った。どうやらホテルはこの山向こうにあるらしい。
山道は荒れに荒れていた。
雨水が削り取った溝が20センチ以上の段差となって幾つもの筋を作っている。
この上をジープは横滑りしながら走る。

高度の運転テクニックも必要だが、ここでは高度の乗車テクニックも必要だ。
重心を低くし、荷物を確保しながら、ジープの車体動作を予想して、
振り落とされないようにしなければならない。
右手に朽ち果てたディスコの残骸が見えた。(エライところに来てしまった!)
確信に近い不安が脳裏をかすめる。

やがて山道は急な下り坂になった。(ホテルは近い!)と思った瞬間、
ジープはジェット・コースターの如く、滑り落ちていく。
木々の合間に海が見えたかと思うと、ジープは急にカーブを曲がり抜けて行く。
これはまるで「スペース・マウンテン」ではないか!
いくつものスルドイカーブを曲がり抜け、ジープはやっとホテルの前に着いた。

目の前のホテルを見て私はハッキリ確認した。
(エライ所に来てしまった!もう帰ろう!)と・・・・
何と木造平屋建てで、大小2棟の小屋があるだけではないか!
左の小さい小屋は8畳程度、右の大きい方でも20畳程度の小屋である。

オロオロとうろたえている私を尻目にホテルの従業員らしきアンチャンが荷物を
運んでいってしまった。
セニョール○×もスタスタといってしまった。トボトボと後ろを行くワシ。
どうやら小さい小屋が管理棟らしくここでチェックインをする。
(ホテルの名前は忘れてしまった)

アンチャンが「ここがメシを食う所、腹が減ったら来るとヨロシイ」と大きい
小屋を指差して我々に説明するが、、、、。
(オイオイ、じゃ我々はどこに泊まるんだ!)と思って大小の小屋を抜けると、
なんと、目の前には今まで見たこともない光景が広がっていた。

「うわぁ、、プールみたい」とセニョール○×が嬉しそうに呟いた。
本当にプールみたいなのだ。いや、プールよりも綺麗である。
色とりどりの珊瑚がキラメく水面に揺れている。
目の覚めるようなブルーの熱帯魚の群れがゆっくり泳いでいる。
我を忘れてボーと見ていると、アンチャンはおもむろにボートに乗り我々にも
乗れという。どうやら50mほど先の小島に行くらしい。

こちら側がパブリックスペースでレストランなどがあり、ボートでコテージのある向島へ渡る。

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こちら側がコテージがある向島(プライベートスペース)である。

001025

天然の水族館の上をボートはゆっくり進む。
小島の桟橋には鐘が釣り下がっており、「メシを食いにレストランに行く時は
この鐘を鳴らすとヨロシイ。船が迎えに行くから」とアンチャンはぶっきらぼうに言った。
小島には10ほどのコテージが点在していた。

どれもがほどよく離れており、珊瑚礁の上に迫り出して建てられている。
本島のレストランがあるパブリックスペースと小島のコテージがあるプライベート
スペースに完全に分離されているみたいだ。
珊瑚礁の上に建てられたコテージは全て木造である。

驚く事勿れ!トイレの便器も便座も洗面台も全て木で作られている。
窓は木のジャロジー、コテージ入り口のドアノブも木である。
もう木、木、木のオンパレードである。
そしてここには電気・水道もない。当然照明もテレビもない!カラオケもない!
レーザーディスクは何者だ!(いかん、、吉 幾三が入ってしまった!)

明かりはランプ。水は雨水を溜めて使う。
トイレは水洗で浄化槽処理しているみたいだ。
ここにあるのは目の前の綺麗な海だけである。
眠たくなったら寝て、腹が減ったらメシを食い、泳ぎたくなったら目に前の
珊瑚礁の海に飛び込む。

何の義務感もスケジュールも時間さえもない。
太陽が出て沈むという自然の摂理のみが我々の営みの全てということに気づく。
コテージの前のサンデッキに寝そべり、ロンというトウモロコシから作った
酒を飲みながら、沖あいのコバルトブルーの海を眺める。
ゴロゴロとそのまま転がって海に落ちる。と目の前には大小様々な原色の熱帯魚が
珊瑚礁の中で見え隠れして泳いでいる。

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又ここには30フィート以上のクルーザーが数隻あり、ダイビングやトローリングができる。
ダイビングは出来なかったのでトローリングをやった。
シイラに似た50cmぐらいの魚を釣り、刺し身で食いたかったが・・・
醤油がないではないか。ウ~残念、、だがグリルもウマイ!!
(その後、アメリカでダイビングの免許を取り、この様なナチュラルリゾートに
行く時は必ず醤油の小瓶を持参するようになった)

夜は波音のBGMとロンとランプの灯火の中で採れたてのシーフードを食べる。
朝は波音が遠く聞こえ、熱帯特有の小鳥のさえずる中でゆっくり起きる。
ここに3日間いたが私の中ではここが最高の5つ星ホテルである。

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このようなナチュラルリゾートが東南アジアにもあり、いくつか泊まったことが
あるが、最初に体験したこのホテルの印象がキョーレツな分だけ脳裏に
刻み込まれている。しかし、このホテルも先ほどのハリケーンで飛ばされて
しまったのだろうか?是非また行きたいホテルである。
(日本からだと片道2日はかかるだろうな)

このようなナチュラルリゾートでは・・・着いたら時計をはずすこと。
あと気に入りの作家の本と醤油の小瓶をもっていくとよい。

                         THE END

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で、この質素な?リゾートホテルだがネットで調べても情報がまったくない。
ハリケーンで飛ばされてしまったのかもしれない。
それにしてもあの木製の便器や便座、そして洗面台が懐かしい・・・
まぁ、30年以上も前の話なので「ロアタン島」も今ではだいぶ様変わりしてしまったことだろう、
としばし感慨に耽る今日この頃なのである。

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