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2014年12月22日 (月)

最近のネパール・ヒマラヤ事情

昔、山岳会に所属していた時にヒマラヤ遠征を考えていたことがあった。
まぁ、遠征といっても8000m級の大規模遠征ではなく、6000~7000m級の未踏峰を登頂するもので
場所はカラコルム山脈にしようと皆で話し合っていた。
カラコルム山脈には世界第2位のK2を筆頭に60座以上の標高7000m以上の山が鎮座しており、
当時はまだ未踏峰の山が多くあった、というよりも名前さえ付いていない6000~7000m級の山などそれこそ無数にあったわけで
小規模の遠征隊でなどと漠然と考えていた。
この遠征話は諸事情によりいとも簡単に頓挫してしまったのだが、
ヒマラヤへの“憧れ”はその10年後にポカラからのトレッキングで叶えることが出来た。

Himaraya

そして時は流れて今年2014年4月18日にエベレスト史上最悪の遭難事故が発生した。
遭難場所は悪名高き「アイスフォール」である。
アイスフォールの名の如き、氷河が崩れ落ちている場所で、気温の上昇とともに上部のセラック(氷柱)が崩壊する危険性があり、
通称「ロシアン・ルーレット・ルート」とも呼ばれている。
ここで4月18日の早朝、セラックが崩壊し、16名のシェルパが犠牲(3名は行方不明)となった。
気温が上昇する前の早朝に何故?セラックが崩壊したのか?知るすべはないが実に悪夢のような事故である。

ワタクシも小規模ながらセラックの崩壊に直面したことがある。
時は35年前、4月のある日曜日、場所は谷川岳で衝立岩中央稜の登攀を目指していた我々は土合の駅構内で仮眠をとり早朝に出発。
日が昇り、明るくなった頃に一の倉沢出会に着き雪渓を昇り始めた。
次第に気温が上昇してきたので上部にそびえ立つセラックが気になり、尾根沿いの高台に避難した直後に谷に響く大音響と共にセラックの一部が
崩壊し、直径1m~3mの氷の塊が十数個ほど雪渓を転げ落ちていったのである。
あのまま雪渓を登っていたら氷塊の直撃を真面に受けていたことだろう。
また、軽い表層雪崩に巻き込まれたこともあった。

登山には危険予知の訓練、能力が必要なのだが、なにせ自然が相手なのでリスク・マネージメントの判断は難しい。
そして来年4月にはまた登山シーズンが訪れる。事故後も山を登っている「シェルパ」は少なからずいるのだが、
“生活”の為に否応なく登っているのである。

ワタクシが長年愛読している雑誌に「ナショナル ジオグラフィック」があるのだが、11月号には「悲しみのエベレスト」という
サブタイトルで苦悩するシェルパ族の現状を記事にしている。
現代の(商業)登山が、シェルパ族なくしては成り立たない事実と彼らの(常に危険と隣り合わせの)地道な働き、
そして家族の生活や子供の教育問題など今のシェルパの現状を知る意義は大きい。
最近ではナショナル ジオグラフィックは電子版が購読できる

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何はともあれ、シェルパ達の待遇改善や安全対策などが急務なのだが、問題は「政治」にあるという。
これはテレビ東京で12月15日に放映された「未来世紀ジパング ・ネパールの光と影」という番組で問題にしていた。
この問題を発言していたのは「宮原さん」である。
ヒマラヤやエベレスト登山・トレッキングの経験者の間では有名なお方である。
あの「エベレスト・ビュー・ホテル」を建設し、現在ではポカラの高台に「アンナプルナ・ビュー・ホテル」を建設中である。

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ネパールは立憲君主国だったが、毛沢東派が多数を占める制憲議会が憲法を改正し、王制を廃止した。
そして、連邦民主共和国を成立させたのだが、未だに政治が安定せず混沌としている。
で、この「宮原さん」が自らの手で政治を安定させようと「政党」を立ち上げて日々奮闘されているのである。
御年80歳、実にアグレッシブなお方である。

番組ではアジアの最貧国であるネパールをどのように発展させてゆくか?提言していた。
それは「めざせ!アジアのスイス」がキーワードであり、共通点が多いスイスと比較してネパールの発展を説いていた。
実はワタクシ、インドのあるプロジェクトでネパール人スタッフと仕事をしたことがあるのだが、彼らは実に優秀であり、
その持っているポテンシャルの高さには驚かされたことがある。

何はともあれ、早く「政治」が安定し、そして地場産業が育ち、観光資源が整備され、優秀な人材達がネパールを発展させてほしい。
と願い、また、数年後にはエベレスト街道のトレッキングを計画している今日この頃なのである。

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