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2014年10月 3日 (金)

インドネシア、ホラー映画事情

休日は映画館で過ごすことが多い、と以前にも記事にしたのだが、
ハリウッドの話題作でさえこちらでは上映期間は一週間と短い。
が、しかし、ある作品が2館同時上映でしかも2週間以上連続して上映されたことがあった。
その映画はホラー映画である。こちらではどんな芸術性が高い作品よりもホラー映画が好まれる。

Theconjuring

で、その映画のタイトルは「The Conjuring」直訳すると手品とか魔法という意味になる。
まぁ、これではその“怖さ”が伝わらないと危惧した日本の配給会社は「死霊館」という邦題を付けた。
ベタである、そのあまりの直球ぶりにセンスの無さを感じるのだが、じゃぁどんなタイトルならいいの?と
ワタクシに問われてもワタクシもセンスがないのできっと「死霊館」と付けてしまうのだろうなぁ・・・
スミマセン、邦題ネタなどどーでもいい話なのである。話をホラー映画に戻す。

前にも書いたがこちらではホラー映画が人気である。普段は空席が目立つ客席がホラー映画では満席になる。
で、ホラー映画の客層のほとんどは若い女性である。日本でいうとさしずめ女子中学生や高校生といった年代で
しかも圧倒的にグループが多い。恋人同士といったカップルもいるのだが若い女性のグループが目立つ。
これは友達同士でその怖さを共有したくてグループで来ているのだろう。

映画が始まっても映画に集中しないで小声で話し合っている。
怖さや恐怖心からチョットでも逃れたい、緩和したいという心理の表れなのかもしれない。
そして“恐怖”は突然やって来る!のである。意表をつかれた彼女達は全身の力で“叫ぶ”のである。
全身で叫んだ後に何故か?笑い声がこぼれるのである。
何故?笑い声が・・・こぼれるのか?

恐怖心を打ち消したくて笑うのか?
それともその“怖さ”を共有出来た“喜び”をかみ締めて自然と笑い声がこぼれるのだろうか?
乙女心が分からないオジサンにはワケワカメの世界である。
“叫び”そして“笑う”、これはもう「お化け屋敷」や「ジェットコースター」などと同じ
“アトラクションのノリ”の感覚なのだろうか?

全身で“怖さ”を体験した彼女達は心地よい疲労感を感じつつ映画館を後にするのである。

何故?インドネシアではホラー映画が人気なのか?
調べてみると東南アジアとくにマレー半島やインドネシアにはイスラム教などの体系的宗教が伝来する以前より
土着的な精霊信仰があり古代社会では共有される世界観であったようである。
この精霊信仰が知らずにDNAにインプットされており精霊=ホラーという図式が自然と受け入れられるからなのでは?
とオジサンは思うのである。

精霊はタイ語・ラオス語ではピー、ビルマ語ではナッ、そして現代インドネシア語ではhantuとして表現され、
その精霊は人間や動物や植物と同じレベルの生きた存在であり、現実世界と重なっているものもあるという。
そして精霊にはさまざまな種類があり、人間に憑依したり、可視的な状態に変身したりすることによって
人間と交流をもつことができるとされている。
また、人間の中にも精霊と意図的に交流することが可能なものがおり、そのような人間を通じて精霊と交流し、
儀礼と供物の提供することによって、精霊の力によって招福攘災をおこなうことができるとされている。
これはいわゆるシャーマニズムですな。

で、この精霊と人間の交流の仕組みは、ヒンドゥー教や大乗仏教、上座仏教、イスラム教が到来した後も、
受け継がれているのである。
この精霊信仰は中東にはなかったのでアラブ社会ではホラー映画の人気はイマイチなのでは?と思う今日この頃なのである。

話はまた変わり、チョット違う観点からアジアのホラー映画を考察した「怪奇映画天国アジア」という本がある。

内容(「BOOK」データベースより)
なぜ幽霊は女性であり、弱者であり、犠牲者なのか?インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、カンボジアなど、
東南アジア各国の怪奇映画の歴史と現在、恐怖と身体の政治性を解き明かす、画期的な論考。

切り口が違う面白い「東南アジア文化論」なのでは?
今度拝読しませう。

そうそう「The Conjuling」のスピンオフ作品である「ANNABELLE」がハローウィンに合わせて本日より公開だとか・・・
多分観ないだろうなぁ・・・・心臓に悪そう・・・・・

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