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2014年7月

2014年7月12日 (土)

ジャカルタ名物の“渋滞”は“必然”である!?

Img_jutai

ジャカルタ名物である“渋滞”を考えてみる。

以前、このブログで「都市と交通」という記事を書いた。
                    ↓
http://take4-san.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-3b8f.html

「東南アジアの人々の通勤交通費は非常に高く、収入の1/3~1/4を使っているという。
これは東南アジアの都市で「抵抗なく歩ける距離」は100~200メートルという統計結果からもわかるとおり、
その都市の気候条件がその距離を大きく左右しているという。

ちなみにヨーロッパではその距離は400メートルで気温が零下5度以下になると200メートルになる。

確かに東南アジアの都市では様々な乗り物が走っている。
ジャカルタでは「ペチャ」、シンガポールでは「トライショー」、マニラでは「ジプニー」、
バンコクでは「トクトク」など自転車やジープ、軽四輪などを改造した乗り物が多い。
今では交通事情などにより激減しているものもある。」

という“ツカミ”で始まるのだが、「ペチャ」や「トライショー」など時代の流れにより廃れていったものもある。
しかし、基本的な傾向は変わらず東南アジアの住民達は近距離の徒歩移動を嫌い、乗り物で移動する。
ここインドネシアでも「アンコッタ」や「オジェック」が大活躍である。
「アンコッタ」とは乗り合いミニバスでルート内は乗降り自由、料金一律でRp2,000(約20円)。
「オジェック」はバイクタクシーで料金は交渉で「アンコッタ」よりは割高だがドア・トウ・ドアで移動出来る。

公共の移動手段としてバスがあるが本数は少なく、大量に輸送できない。
鉄道はあるが主要都市間を結んでいるだけで都市内のルートはなく、都市内の移動は車、バイクが主体となる。

で、今回の主題である“渋滞”へと話は進むのだが、
経済機能が都市に集中している現状では通勤時間帯での“渋滞”は必然的に発生しているということなのである。

最近次のような記事をネットで読んだ。
「現在のジャカルタでは、自動車の占有面積の合計が道路総面積以上に達して道路交通が麻痺している」

ほう・・自動車の総面積が道路総面積以上に達しているとな・・・
ホンマカイナ・・・

ということで独断と偏見?で個人的に調べてみた。

まず自動車の台数だが、オートバイと自動車・バス・トラックを合わせた台数はジャカルタ首都圏内では1334万7607台となる。
ちなみにジャカルタ首都圏の人口は1018万7000人、ということは首都圏人口を上回る乗り物が存在していることなる。
参考までにオートバイの台数は986万1256台で首都圏の人口にほぼ匹敵する。
これらのデータは下記サイトによる。
http://blog.livedoor.jp/osinoue/archives/51855382.html

次に道路についての情報だが
ジャカルタ特別州の道路は延べ6,528.439km(2008年時点)という数字を見つけた。
下記のサイトからである。
https://www.asean.or.jp/ja/asean/know/country/indonesia/invest/guide/09-11.html

これらの数字を基にまず自動車の占有面積の合計を算出する。

自動車・バス・トラックの台数は348万6351台で1台当たりの面積を15㎡(3m×5m、停車時の車間距離)
と仮定すると3,486,351(台)×15(㎡/台)=52,295,265㎡(5229万5265㎡)となる。
オートバイの台数は986万1256台で1台当たりの面積を3㎡(1.5m×2m 停車時の車間距離)
と仮定すると9,861,256(台)× 3(㎡/台)=29,583,768㎡(2958万3768㎡)となり
合計で52,295,265㎡+29,583,768㎡=81,879,033㎡ (8187万9033㎡)になる。

道路の幅は1車線、2車線、3車線とあるのだが平均して12mと仮定して算出する。
6,528,439m×12m=78,341,232㎡ (7834万1232㎡)となり
車の総占有面積 81,879,033㎡-道路の総面積 78,341,232㎡=3,537,801㎡(353万7801㎡)
単純にして乱暴な?仮定での計算だが車の総占有面積の方が353万7801㎡上回っている。
走行時での車間距離を考えると車の総占有面積はさらに増えることになる。

クルマの面積が道路の面積よりも多いので物理的にクルマの走行は不可能で
今回のタイトルであるジャカルタの“渋滞”は“必然”という明確な根拠になるのでは?
(独断と偏見?に基づいた仮定の数字なのでかなり怪しいのだが・・・)
まぁ、単純な憶測で判断するのだが、車やオートバイの稼働率が20%程度だとスムーズに流れ、
これが50%と超えると“渋滞”になるのでは?

で、道路の面積が狭いのでは?と誰でもが考えるのだが、
ここで「道路率」に注目することにする。
道路率というのは、土地全体にしめる道路の面積の割合のことである。
ジャカルタ首都圏の道路率は6.2%である。。ちなみにシンガポールの道路率は12%で約倍ある。
     ↓
http://blog.livedoor.jp/osinoue/archives/51855382.html

で、日本の東京はどうなのか?というと、
東京都全域で7.6%しかない。しかし東京都区部に限ると15.4%あり、都心部では23.1%もある。
     ↓
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/douro.html

欧米の主要都市の道路率はおおむね20~25%あり、理想的な道路率だと言われている。
まぁ、この算出方法も分母・分子の数字の根拠がはなはだ疑わしい。
①道路率の分母が「既成市街地」なのか「全面積」なのか?
②道路面積に「私道」が含まれているかいないか?
この違いによって道路率も変わってくる。

数字のマジック?で東京は道路率が低いのでもっと道路を作らばければいけない、
という理論もある一方では成り立ちこれを根拠に行政は道路を作ろうとする。
上記サイトの数字が正しければ東京は他の都市に比べて道路を作りすぎているということになる。

なにはともあれジャカルタ首都圏道路率の6.2%は有り得ない位低い数字ということになる。
ちなみに今年度のインドネシアのオートバイの生産台数は800万台以上だという。
道路の面積は増えず、オートバイと自動車の台数が増えていく。
ジャカルタの“渋滞”は“必然”なのである。

まぁ、一般道路を含めた道路率による“渋滞”を独断と偏見?で考察したのだが、
高速道路だけで比較しても、ジャカルタ中心部とスカルノ- ハッタ空港を結ぶ路線の交通量は、
平日の東名高速の実に5倍以上、ゴールデンウィーク(GW)時の混雑路線の交通量の5倍近くある。
           ↓
http://www.dir.co.jp/consulting/asian_insight/20130110_006646.html

我々が日常使っているチカンペック高速道路の通常の交通量さえ日本のGW時の混雑時の3倍近い交通量だという。
やはり“渋滞”は“必然”ということになる。
そしてジャカルタ行政は遅ればせながら「MRT」の建設に着手したのである。
           ↓
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140326/mcb1403262249006-n1.htm

悪名高きバンコクの渋滞もこのMRTの完成により緩和された。
ジャカルタの“渋滞”はMRTにより緩和されるのか?
4年後の完成が楽しみである・

ジャカルタの“渋滞”は“必然”なのだが、これに故障した車の放置、事故、
そして突然の豪雨などによる“偶然”の“渋滞”が重なり車の列はさらに伸びてゆくのである。

あるご婦人は通常30分で着くところ3時間以上かかってしまった、という経験上
車の後ろに携帯用トイレを常備しているという。
幸いにもまだ活躍の場?はないらしいが、渋滞用紙オムツを作って売れば儲かるのでは?
と下世話の想像をする今日この頃なのである。

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