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2014年6月 1日 (日)

スメル山・・・ああ試練の蟻地獄登山・・・

スルメ山に登ってきた・・・
山肌をちごってはチョイト焙り醤油を垂らし日本酒を一口煽る。
そしてまた登り出す・・・スルメ山・・実に日本酒に合いそうな山だ。
あったら嬉しいスルメ山・・・もとい、登ってきたのはスメル山である。
でもこの山は“住める山”ではない。
現役の活火山で年がら年じゅう噴火しており、1818年以降少なくとも55回の噴火が記録されている。
犠牲者も出ているという。
そして、登山基地がある一番近い村からベースキャンプ地まで片道で7時間かかる。
とても人が“住める山”ではないが、スメル山である。

この山名は須弥山(スメール山、サンスクリット語でSumeru)に由来しており、
古代インドの世界観の中で中心にそびえる山とされている。
山を崇めるという観念はバラモン教、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教にも共有されており、
スメル山も別名はマハ・メル山(偉大なるメル山を意味する)とも呼ばれている。
つまり「聖山」なのである。そしてジャワ島の最高峰であり標高は 3,676m。

この「聖山」であるスメル山に仕事仲間であるI氏と登ってきた。
玄関口であるマランまでジャカルタから約1時間半のフライト、このマラン空港だが軍隊と共有で実に簡素な造りである。
(隣に新空港を建設中で近々オープン予定か?)
直線5mほどの荷物用コンベアーの先にタクシー予約カウンターがある。
タクシーに乗り約1時間で「Pasar Tumpang」に到着し、ここで登山基地がある「RanuPani村」までのトラック、ジープを
チャーターする。市場に面するにコンビニ前に“手配師”がたむろしており車を手配してくれる。
我々はジープをチャーター(Rp.550,000也)するも“手配師”が
「お前らには医師の診断書が必要だ」とさかんに力説している。
どうやら外国人はこの診断書がないと登山許可がおりないらしい。
ということで途中でメディカルチェック(血圧、脈伯、身長、体重、血液型を自己申告)を行いRp.25,000/人を払い
診断書を受け取り一路「RanuPani村」を目指す。

Dscn1046

市場前にはジープが客待ち?しており向かいのコンビニ前に“手配師”がたむろしている

「RanuPani村」には10時前に到着、標高 2,100m、雲上の村である。
ここでガイド1人とポーター1人を雇う。ガイド Rp 200,000/日、ポーター Rp 150,000/日也。
テント持参、途中水場がないので水のペットボトル1.5L×8本、かなりの荷物になりポーターは必然である。

Dscn1064

早速登山許可をもらいに管理事務所に行くが事務所の周辺はインドネシアの若い登山者で溢れ返っていた。
(オイオイ、インドネシアでは登山はこんなに人気があるのか?)
事務所の周辺に幕営している輩もいる。あまりの混雑振りにたじろいでいるとガイドが事務所の担当者との交渉を橋渡ししてくれた。
そして、担当者から説明を受けたのだが、入山制限があり一日500人で、今日の分は既に発行済みで明日分なら発行できるという。
まぁ、事前に予約は出来たらしいのだが準備不足は否めない。

本来ならば今日中に途中のキャンプ地であるRanukubolo Lakeまで行く予定であったが仕方がない。
登山日程を一日短縮し2日分の登山(入山)許可を診断書も同時に提出し申請する。
外国人の場合、平日Rp.207,500/人・日、祝日Rp.307,500/人・日である。
最近、入山料が8倍以上に値上がりしかなりの高額である。
で、観光客の激減を心配した地元観光業者がストを決行したというニュースが最近新聞に掲載されたのだが、
激減したのは外国人だけで若者にはたいして影響はないらしい。
そういえば登山中我々以外の外国人には出会わなかったなぁ・・・

Dscn1071

という訳でこの日は湖畔のキャンプ場で幕営し早朝に出発と相成った次第。
このキャンプ場は直火OKなので盛大に?焚き火が出来る!
焚き木はキャンプ場の関係者と思われるオバチャンが集めてくれており自由に使える。
焚き火には哀愁をおびた“男のロマン”が漂う。
そして酒があれば完璧なシチュエーションで“男のロマン”が完成する!?(ホンマカイナ・・・)
で、密かに持参したバーボンを取り出し、ルンダンの缶詰を肴に“男のロマン”を満喫したのである。

翌朝は5時にガイド、ポーターと待ち合わせて出発するのだが、
テントと水はガイドとポーターが分かて持ち、さらに私のザックもポーターが担ぐという!
なんという実にウレシイ誤算!ありがたきシアワセ!で素直に御好意に甘えることにする。
手ぶらで登山!思えばこれは正解で自分で担いでいたらどーなっていたことやら・・・
目指すはベースキャンプ地であるKalimatiである。
なだらかな登りを歩くこと3時間で小さな峠に着く。

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そしてこの峠から目指す「聖山」スメル山を望むことが出来る。

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峠で出会った地元登山者&ポーターの皆さん(左端のお方はハダシである)

峠を降ると実に美しい高原地帯が広がっていた。
ここからRanukubolo Lakeを経てCemoroKandangまでのアプローチがこのスメル登山の一つのハイライトかもしれない。
今まで体験したことのない気持ち良い高原地帯が広がっており、どこまでも歩いていけそうな錯覚になる。
Dscn1119

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そして、辿り着いたRanukubolo Lakeのキャンプ地も大勢の(若い)キャンパーで溢れ返っていた。

Dscn1171

何故?これほどまでに登山、アウトドア、キャンプが人気があるのか?
後で分かったことなのだが、映画の影響が大きく、特に若い女の子が急増したという。
映画の題名は「5cm」。2012年公開で男女5人の夢、愛と友情をスメル登山を通して描いている。
Katapenyemangatfilm5cm

同名のベストセラー小説の映画化である。
この手の青春モノの元祖は「セント・エルモス・ファイアー」やね。
日本のトレンディドラマブームの火付け役になった映画でもある。
で、私も「あの話」やら「その話」で記事を書いた。
まぁ、どーでもいい話である。

どーでもいいのだが、気づいたことがある。
それはインドネシアの山ガールはカワイイ子が多いということであり、
そして日本のオジサンにとてもやさしくしてくれるのである。
これはウレシイ、とてもウレシイ!
まぁ、これもどーでもいい話である。

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昼過ぎにはベースキャンプ地であるKalimatiに到着し、
しばし休息、深夜からの登頂に備え体を休める。
しかし、ここも大勢の天幕が張られていた。
真夏の涸沢のテント村並みの混雑振りである。

Dscn1164
Kalimatiからスメル山を見上げる

深夜12時に登頂開始。
水と行動食をザックに詰める
歩き出して早くも渋滞に巻き込まれる。
見上げればヘッドランプの帯が頂上まで続いている。
まるで夏の富士登山と同じである。
登山初心者も多いようでペース配分を考えずに登り途中で休んでいるらしい。
また、途中で断念して下山してくる者もいて登り降り渋滞も発生している。

最後の急登5時間、傾斜40度はきつかった。
火山灰の斜面を直登するのだが、富士山の砂走りを直登するようなもので、
足元が安定せず30cm登ろうとすると20cm摺り下がる。
登れど登れど登れない、恐怖の蟻地獄登山の始まりである。
これから比べると富士山の登山路は快適である。踏み出せば確実に登っていける。
がしかし、この登山路は違う!踏み出しても摺り下がるだけなのである。
また独立峰であるため風が強い。火山灰の粉塵が容赦なく襲って来る。
バンダナで顔を覆っていても口の中に入ってくる。
これほどの試練を強いられる登山は初めてである。
登れど登れど登れない、この苦しさ。
で、映画の題名「5cm」の意味が少し分かった気がした。

以下、山頂の図(画像提供は同行のI氏)
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これは小小小?噴火の図

Ccc_2

途中でご来光を眺め、頂上に着いたのは7時であった。
7時間の登りか・・・・同行のI氏は6時だという。
山頂からの展望は我々の想像を超越した光景が広がっていた。
月のクレーターの如き光景にしばし唖然とする。
記念撮影しトットと下山する。
下山は富士山の砂走りと同じ要領で降りてこれる。
2時間でベースキャンプまで降りてくる。

Dscn1177
時折カワイク小噴火を繰り返している

昼まで休息しテントを撤収し「RanuPani村」までの帰路を急ぐ。
「RanuPani村」には17時到着。
途中峠越えでI氏がダウン寸前だった、
私もザックを担いでいればここでダウンしていただろう。

車をチャーターしマランまで行きホテルを探しチェックインし、
シャワーを浴びる。
ちなみに鼻の中、耳の中は真っ黒であった。
で、待望のビールをあおりつつパスタをつまみ、
すぐにご就寝。

11時にチェックアウトし、市内の博物館風レストランで食事し、15時過ぎのフライトで
ジャカルタへと戻る。

で、反省点・注意点は
シーズン中は事前に入山許可を申請(予約)したほうが良い。
スメル登山中は火山灰の粉塵から守るためマスクが必要。
また、高価なカメラは粉塵で故障する可能性があるので防塵カメラが望ましい。
下山路は砂走りを駆け降りるのでスパッツは必要。

驚いた点
アプローチではビーチサンダル、サンダル、そして裸足で歩いている者多し。
スメル登山でも足袋タイプの靴下とスポーツサンダルで登っている者多少あり。

嬉しかった点
外国人の登山者は少ないらしい、特に日本人のオジサンは特に珍しいらしく、
数え切れない若者から声を掛けられ、また写真撮影を求められたことである。
多くの若者のカメラの中にワタクシが写っておりネットでその醜態を晒す日も近いかもしれない。

意外だった点
インドネシアの“山ガール”はカワイイ子が多いということ
また、スメル山登山者は圧倒的に若者が多く、オジサンはワタクシだけだったこと。

で、今日の一句・・・

若くない ポーター雇って 登山かな、
    もとい・・・
アリ地獄 試練の登山 スメル山、
    
    おそまつ・・・・

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コメント

始めまして!
今月、スメル山に登ってきます。
参考にさせていただきました。
アタックの登りは、ほんとうにしんどそうですね^_^;
ストック持って行こうか悩んでます。一本しか持ってないけど。。

投稿: あっぽ | 2014年8月 4日 (月) 19時02分

あっぽ様 お立ち寄りありがとうございます。
スメル山は登るまでの段取り、手配が結構面倒です。そしてマランでは英語がほとんど通じません。予定される質問や想定される答えなどをインドネシア語でノートにまとめておくとスムーズに交渉ができます。
アプローチは大変素晴らしいのですが、登山そのものは"地獄”です。
ご健闘をお祈りしております。

投稿: TAKE4 | 2014年8月 5日 (火) 15時46分

また、ストックは1本でもあったほうが絶対にいいです。
足元がずり下がるので上体の姿勢が確保できます。
上体が安定しないので四つんばいで登っているインドネシア人が何人かいましたね。

投稿: take4 | 2014年8月 5日 (火) 16時14分

情報ありがとうございます!ストック、1本しかないけど、持っていくことにします。
日傘のあった方がいいのかな〜。草原歩きは日に焼けそうですね。
あさって出発です。楽しみです!あり地獄は大変そうですけ(>_<)

投稿: あっぽ | 2014年8月12日 (火) 22時27分

日傘ですか・・・つばの広い帽子はお持ちではないですか?
雨傘兼用で折りたたみ傘はいいかもしれないです。
無事に登頂できることを願っています。
また、帰ってこられたら様子をお知らせください。

投稿: take4 | 2014年8月13日 (水) 09時25分

ただいま!昨日帰国しました。
あり地獄、味わってきましたよ(笑)
ストック持って行って正解でした。ありがとうございました。
一歩下がって半歩下がる。。ほんとその通りですね。
すばらしかったけど、もう二度と登りたくないかもです〜
あと、想像していたよりも寒かったのもびっくりでした。

投稿: あっぽ | 2014年8月19日 (火) 22時33分

あっぽ様 お疲れ様でした。
私ももう二度と登りたくないです。
ロンボク島のリンジャニ山も蟻地獄らしいです。
景色がいいので機会があればここだけは登ろうかなと
考えています。
なにはともあれ本当にご苦労様でした。

投稿: take4 | 2014年8月20日 (水) 11時38分

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