コンクリートが危ない
コンクリートが危ない (岩波新書) (新書)
小林 一輔 (著)
職業柄“コンクリートがヤバイ”と常々感じていたが、この本を読み確信に変わっていった。
冒頭の山陽新幹線高架橋のひび割れや腐食の実態の写真は結構ショッキングである。
これは適正な材料を使わなかったこと、や施行技術が不十分だったからである。
で、お上もこれではイカン!ということで橋脚の補強工事を10年ぐらい前から行なってはいるが、公共施設は予算もあり耐震診断は出来るが民間の建物はそうはいかない。
特に東京オリンピックが開かれた1964年を境に著しく劣化しているのだという。
2005~2010年にコンクリート構造物が一斉に壊れ始める、と著者は警告している。
(この本が出版されたのは1999年である)
壊れ始める、とされる著者の根拠は実に説得力がある。
それにして大正時代や昭和の初期に施行された建造物がいまだに無傷で残っているというのも事実である。
先人達は基本に忠実にコンクリートを調合・施行したのである。
理論上は200年の耐久性をもつはずのコンクリート構造物が、今では負の遺産として全国に数え切れないほど建造されている。
地震災害のほとんどは“人災”なのかもしれない。
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