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2009年2月25日 (水)

「わんぱく天国」

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日曜日の午後。国道にバスがとまった。
昭和十×年の四月のおわりごろのことだから、バスといっても小さいものだ。近ごろの大型バスとくらべると、まるで半分ぐらいしかない。その小さいバスの銀色の車体には、赤いすじが一本おびのようにはいっている。これは市営バスではなく、私営バスだ。
「ナイサアシイ。ナイサアシイでございまあす」
女の車掌さんの声は、むかしもいまも、ぜんぜんかわらない。車掌さんは、「なぎさばし」といったのだ。けれども、なれない人には「ナイサアシイ」ときこえる。

という出だしで始める佐藤さとる著の「わんぱく天国」の舞台は塚山公園、通称「安針塚」である。

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で、この冒頭の汀橋のバス停は今もある。本ではこの国道の向こう側は練兵場だったが、今では高層住宅がそびえたっている。

時代背景は昭和10年代で、作者の佐藤さとるは10歳までこの逸見に住んでいた。
そして、この本には懐かしの「男の子」の遊びが紹介されている。
メンコやベーゴマはワタクシにも懐かしい。
なによりもこの物語は少年たちの夢が大空に飛び出していくのを描いている。
まさに昭和10年代の「鳥人間」物語で、こんな少年時代を過ごせたら幸せだ。
昔の少年たちは野山を駆け巡って遊んでいたのである。
今ではその野山さえなく、子供達は駆け巡るのを忘れゲーム機に没頭している。

ラストは感動的であり、チョット「アメリカングラフティ」を彷彿させる。

それにしても「汀橋」を「ナイサアシイ」とけだるそうにアナウンスする女車掌に昭和ノスタルジーを感じてしまう。

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