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2008年7月 2日 (水)

日本沈没 第二部

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日本沈没 第二部 (単行本)
小松 左京 (著), 谷 甲州 (著)

「日本沈没」の第一部が発表されて今年で35年で、当時高校生だったワタクシは夢中になって読んだ記憶がある。
そして2年前の2006年に再映画化に合わせてこの第二部が谷甲州との共著という形で出版された。
この日本沈没 第二部だが、“異変”により日本が沈没した後のシミュレーションをきめ細かく描いている。

“異変”後世界各地で気候変動が発生するのだが、これは日本人が入植し自然破壊した結果なのか?
第三国で日本人は経済的に成功し、貧富の差が生まれる。そして暴動が起こり迫害される日本人。
生活基盤を失った日本人が大挙して都市部に流入し、スラムを形成して周辺の治安を悪化させる。
また、入植地を追われた日本人の難民が国境を越えて他の国に逃れ、なかには難民キャンプを根拠地に、反政府運動や無差別テロを展開する。

イヤイヤ凄まじいまでの災難が日本人に降りかかってくるわけで、これはまさしく彷徨えるユダヤ人ならぬ、彷徨える日本人ではないか。

そして日本の未来予測システム、“地球シミュレーター”が地球の結末を導き出した。
その結論とは何か?日本列島の沈没は、単なる前触れにすぎなかったのである。

絶望的な状況の中で中田首相と鳥飼外相は日本人のアイデンティーとは何か?と問う場面があり、この小説の見せ場ならぬ読み場があり、このくだりが非常に興味深い。
中田首相は国土を失っても、その誇りを継承させようとする愛国主義を、鳥飼外相は世界と共存するコスモポリタニズムを主張するのである。

これって坂口安吾の「日本文化私観」に通じる何かを感じるなぁ・・・
坂口安吾は必要なら法隆寺など焼けてしまってもかまわぬ、そこに畑を作り、日本民族として健全な精神を保てればそれでよいではないか、と述べている。国土よりは精神が大事ということでは鳥飼外相の考えに近いのかもしれない。

まぁ、人類のために、日本人はどんな貢献ができるかという問いかけは、今の世界にも重ね合わせることができ、考えるべき問題であると思う今日この頃である。

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