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2008年4月17日 (木)

陰陽師 生成り姫

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陰陽師 生成り姫 (単行本)
夢枕 獏 (著)

引き続き、夢枕獏著による陰陽師・安倍晴明シリーズの中の1冊である。
で、この安倍晴明シリーズは安倍晴明と源博雅のコンビものである。

そして、このお二人の会話が実に清清しくて心地よい。
特に月明かりの下で柱にもたれ、ほろほろと酒を飲む件(くだり)で人の世の真理が問うのだが、この源博雅ならではのピュアな問いかけが儚く切ない。

う~ん・・かつての日本人にはこのように世の無常を感じ取る感性があったのである。
無くしてはいけない日本人にとって大切な心の遺伝子である。

で、この「生成り姫」という題名だが、実に生々し印象を与える。
それもそのはずで、嫉妬に狂う女がその憎さのあまり生きながら般若に変じて祟るのである。
つまり、生成りとは人が鬼に成りきる前の般若の状態を意味する。人であって人でない者。鬼であって鬼でない者のことである。

この般若となる姫が毎夜「丑の刻参り」をするのが貴船神社である。(ここは先日訪れたことがある
まさに女人の情念はいかに凄まじいかを思い知ることができる。
人の世の儚さと刹那さがしみじみと胸に染み入り、そして情念のおどろおどろしさに人の業の奥深さを思い知る。

平安の雅の風流にいつまでも触れていたいと感じさせてくれる小説である。

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