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2008年4月28日 (月)

薬師寺展

   A_

薬師寺展

今日はGWの谷間の平日である。そして理解ある職場の意向で今日は強制的に?休みなのである。
で、GWの休みには大勢の人が押し寄せてゆっくりと観ることが出来ないと予測される「薬師寺展」を観に行く。

平日にもかかわらず結構な人出である。
そして、今回の展覧会の最大のみどころである国宝 月光、日光菩薩立像には圧倒される。
緊張感溢れるその美しさが圧倒的な存在感を創り出している。
そして、計算された空間のスケール感やライティングがその効果を高めている。
感極まり頭を垂れて手を合わせているお方が何人もいたが、その気持は良く分かります。

薬師寺は法相宗(ほっそうしゅう)の総本山である。法相宗は、あの西遊記で有名な三蔵法師(玄奘三蔵)から始まる。
玄奘三蔵が印度で17年の間仏教教義の修得・翻訳に勤めた後、その教義の発揮は慈恩大師[じおんだいし]に託され、法相宗を開創したのである。

で、この法相宗では、あらゆる存在は「識(こころ)」から投影されたものであると教えている。これが唯識所変(ゆいしきしょへん)で、つまり、十人の人間がいれば十の世界(考え方)があるということである。
そしてそこから存在論、認識論が論じられているのである。

これって最近読んだ陰陽師にも似たような記述があったなぁ・・・

また、薬師寺の南大門を出た南に薬師寺を守護する休ケ岡八幡宮がある。かつては休岡八幡宮で身を清めてから薬師寺を参拝したという。
八幡神社の総本社は大分県宇佐市の宇佐神宮(宇佐八幡宮)である。寛平年間(889~898)に大分県宇佐から現在地に勧請された。

休ケ岡八幡宮では八幡神(八幡三神)が安置されている。で、この八幡神はそもそも農耕神あるいは海の神とされているのだが、この八幡神は何も身に付けない僧侶の形で表現されているのである。これは古来より日本で生まれ育った伝統的な自然信仰である神道と大陸から伝来した仏教徒が融合し、普及してきたことを表している。いわゆる神仏習合というものである。

日本古来の神様達が仏教に擦り寄って?きた訳だが、これは当時、律令制の導入により社会構造が変化し、有力豪族たちの願望・思惑がこの神仏習合により受け入れやすかったからだといわれている。

まぁ、何はともあれ、日光・月光菩薩、聖観音菩薩様のその圧倒的な“美パワー”から仏教の神秘を、八幡神を見て神仏習合を、また玄奘の教えを見ながら唯識所変とは何か?と考えさせられた一日であった。
そして古(いにしえ)の日本人の心の故郷とも言うべき“まほろば”に想いを馳せた一日でもあった。

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