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2007年11月 8日 (木)

リンゴォ・キッドの休日

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(角川文庫) (文庫)
矢作 俊彦 (著)

我が地元、横須賀を舞台にしたハードボイルドの中篇2編が収められている。

昭和61年に六版発行とあるだけあって今は亡き?ガントリークレーンも登場し、古き良きドブイタが舞台である。まぁ、今だから古き良きドブイタなんて表現が平気でできるが。ワタクシが幼少の時のドブイタは怖かったという印象しかない。特にベトナム戦争の頃は荒れていて、怖くて子供は近づけなかった。
で、昭和60年代というと少しは落ち着いてきた頃であり、トリオ・ザ・パンチの内藤陳の「おら、ハードボイルドだど!」などのギャグは流行った頃でもある。

ハードボイルドと言えばレイモンド・チャンドラーである。矢作 俊彦氏は彼を手本としてハードボイルド小説を書きたかったのだろう。

でも、ハードボイルド小説特有のウィットに富んだ描写が時には仇になることがある。
例えば「時は10月、ジャマイカのパンフレット写真みたいに晴れ渡った少し寒すぎるくらいの水曜日」という件はテンポよく読めるが、「金庫から飛び出してきた新品の札束みたいな笑顔だった」とくるととたんにガクッとくる。テンポが殺がれるのである。心の中で思わず反復してしまい、新品の札束みたいな笑顔とはどんな笑顔なのか?と考えてしまう。まぁ、これはワタクシのハードボイルド小説を受け入れる器が小さいのが原因かもしれないが・・・

ハードボイルドのエッセンスを詰め込みすぎた感じで、ストーリが分かりにくく、展開が急すぎる。
センスが良いだけに残念である。

そして、横須賀、というか横浜のリンゴォ・キッドはあまりにも善人すぎたのかもしれない。

ちなみに「リンゴォ・キッド」とは名作「駅馬車」の主人公のことであり、通称“ビリー・ザ・キッド”と呼ばれた西部開拓時代のガンマン(無法者)である。

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