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2007年11月 1日 (木)

よろずや平四郎活人剣

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よろずや平四郎活人剣〈上〉 〈下〉(文春文庫) (文庫)
藤沢 周平

もう10年以上前に池波正太郎の「剣客商売」の面白さに目覚め時代劇のドツボにハマってしまった。
それ以降、池波正太郎、司馬遼太郎、藤沢周平などの時代劇作家の本を時あるたびに読んできた。

で、最近読んだのがこの小説である。
池波正太郎、司馬遼太郎、藤沢周平諸氏ともそれぞれの作風があってそれを味わうのも時代小説の醍醐味なのかもしれない。

池波正太郎氏の小説からは男の美学というか、ダンディズムが行間からプンプンと漂ってくる。まぁ、池波氏は「男の作法」という本を出すほど男の生き方に拘りを持っていたお方であり、己の信じる男の美学をそこはかとなく散りばめた結果なのだろう、とワタクシは思う。

そして対照的なのがこの藤沢 周平氏である。藤沢氏の小説の大きな特徴は庶民の視点から観た庶民の生活を描いているということである。例えば、池波氏の小説の主人公は絶対に鼻毛は抜かない。しかし、藤沢氏の小説の主人公は武士であろうと庶民の視点から見ればただの人であり、鼻毛を抜くのは当たり前で、これがスンナリと浮け入れられる描写が心憎いほど自然なのである。

だからこのまったり感がとても心地よいのである。普通の人が普通の生活と営み、そしてごくごく普通の事件に巻き込まれる。そして主人公の平四郎が、鼻毛を抜きながら?事件を解決していくくだりは藤沢流の手馴れた技で見事である。まったりと肩の力を抜いて、この藤沢ワールドをゆるりと堪能しませう。

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