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2007年10月 3日 (水)

「夜のピクニック」

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「夜のピクニック」恩田 陸 (著)

これは紛れも無く「青春小説」なのだろう。そして、この青春小説というシロモノを堂々と読むことに対してオジサンはチョット恥ずかしいものがある。

だって、アナタ!青春ですよ!あの揺れ動く淡い想いとか何とかを人生の酸いも甘いも悟ったオジサンが読んでも面白くもなかろう。まぁ、本当は素直に読みたいという気持ちを認めて読めばいいのだが、何故か何を今さらジロー的白けきった醒めた理性が邪魔をしているから恥ずかしいのかもしれない。

で、改まって「青春小説」って何と問われてもワタクシにはよく分からない、取り合えず若者達の友情や恋、そしてそれらを取り巻く環境などを淡いタッチの文体で書いた小説とでもしておこう。

この「夜のピクニック」は始めは読む気はなかったのだが「サウスバウンド」を読んでから気が変わって読んだ次第。つまり本屋大賞の奥深さを知ってからである。「サウスバウンド」は2006年本屋大賞の2位で。「夜のピクニック」は2005年本屋大賞の1位である。ちなみに2004年本屋大賞(第一回)の1位は「博士の愛した数式」である。これも良い小説だ。

この小説は全編を通してサラリとした描写が印象的である。
とにかくサラサラで、ジメジメもドキドキもドタバタもなくひたすら全校生徒が24時間かけて80キロを歩く高校の伝統行事「歩行祭」での出来事をサラリとした描写で描いている。
主人公たちの会話の中に「青春の揺らぎ」とか「煌(きら)めき」、そして「若さの影」とか「引き算の優しさ」なんて言葉が出てくる。

まぁ、今時のコーコーセイがこんな言葉を使うなんてオドロキだが、サラサラの文体が嫌味なくこれらを消化しまっている。
そして、ラストに向かって、アメリカからのおまじないが、今までの蟠りを嘘のように解かしていくくだりもサラサラしている。
読後のサラサラ感も心地よい。
そうか!「青春小説」とはサラサラということか!ということを感じた今日この頃である。

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