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2007年8月23日 (木)

ご近所探索「横須賀と芥川龍之介」

       A_kawana

あの芥川龍之介が横須賀に住んでいた。
場所は横須賀市汐入町五八〇番地の尾鷲方(現在の汐入3丁目1番付近)
写真に写っている川名米酒店の左手側らしい。

大正5年、芥川龍之介は横須賀にある海軍機関学校の嘱託英語教官を務めるため、
鎌倉に下宿していたが、通うには遠すぎたようで約一年弱で横須賀の汐入に引越しをした。
その場所が現在の汐入3丁目1番付近である。

この時期に「蜜柑」を執筆した。
ちなみに海軍機関学校は現在の神奈川歯科大学一帯にあった。
横須賀に居たのは約半年で婚約者の塚本文さんと結婚し、 鎌倉町大町字辻に新居を構える。

関連サイト
http://www.ic-y.jp/furusato/furusato_p88.html

そしてこのような作品を残している。

「横須賀小景」  芥川龍之介

カフエ
僕は或カフエの隅に半熟の卵を食べてゐた。するとぼんやりした人が一人、僕のテエブルに腰をおろした。僕は驚いてその人をながめた。その人は妙にどろりとした、薄い生海苔の洋服を着てゐた。


僕はいつも煤の降る工廠の裏を歩いてゐた。どんより曇つた工廠の空には虹が一すぢ消えかかつてゐた。僕は踵を擡げるやうにし、ちよつとその虹へ鼻をやつて見た。すると――かすかに石油の匂がした。

五分間寫眞
僕は或晩春の午後、或若い海軍中尉と五分間寫眞を映しに行つた。写真はすぐに出來上つた。しかし印畫に映つたのは大きいVIといふ羅馬數字だつた。

小さい泥
僕は或十二三のお嬢さんの後ろを歩いて行つた。お嬢さんは空色のフロツクの下に裸の脚を露してゐた。その又脚には小さい泥がたつた一つかすかに乾いてゐた。
僕はこのお嬢さんの脚の上の泥を眺めて行つた。すると泥はいつの間にかアメリカ大陸に變つてゐた。山脈や湖や鐵道も一々はつきり盛り上つてゐた。
僕はおやと思つてお嬢さんを探した。が、お嬢さんは見えなかつた。僕の前には横須賀軍港がひろがり、唯一面に三角の波が立つたり倒れたりしてゐるだけだつた。

そして、吉倉公園内に芥川龍之介文学碑がある。
ここには「蜜柑」の一文が刻み込まれている。
「蜜柑」は海軍学校教官時代に鎌倉への帰路、横須賀線内でたまたま出会った事を題材にしている。
http://www.yokosuka-benri.jp/db/g_info/l100004003.html

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