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2007年7月 4日 (水)

古代中国の文明観

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先日観た「墨攻」という映画から「墨家」が気になっていたので
図書館から「古代中国の文明観」-儒家・墨家・道家の論争-
という本を借りてきて読んだ。

イヤ~、、なかなか面白です。
古代中国も環境問題でもめていたらしい。
黄河文明は黄河流域の自然を破壊し形成された。
で、当時の思想家達は文明と人類の将来をどのように考えていたのか?

まず、儒家(孔子、孟子)だが、
頭脳労働者(統治階層・貴族)と肉体労働者(非統治階層・庶民)とに
人間を大別し、階級・格差社会を容認し、身分の差が一目で分かるようにし、
社会秩序を固定化しようとした。
また、天地が万物を生み出す数量には余裕があり、
人類全体を養えるだけの食料が十分供給されるので、
どんどん消費してもかまわない、という物質的な幸福に対する楽天主義である。

そして、常に儒家が敵対勢力して非難していた墨家(墨子)は、
「兼愛」「非攻」「節用」などの十論の思想から成り立ち行動していた。
そして領土拡大による富の拡大よりも共存共栄がその目的であった。
また、自然界から取り出せる数量には限界があるので節約しなければ
ならないという思想で儒家と対立関係にあった。

墨家の環境問題に対する思想は現代にマッチしている。
チョット困ったことに、、墨家は音楽を罪悪として否定しているのである。
まぁ、この音楽とは皇帝・貴族が奏でる音楽をさしており、
天下の利益には何の貢献もしていないという理由ではあるのだが、、。
しかし、儒家では音楽は周囲との調和を楽しみ、
礼的秩序を維持できるので意義を認めている。
音楽でも儒家と墨家は対立している。

この墨家だが、何故歴史上から忽然と消えてしまったのか?
巨大になりすぎて分裂し、また始皇帝の発令した「挟書の律」という
思想弾圧のために絶滅したのではないか、とこの著者は述べている。

そして、、最後の道家、(老子、荘子)は
自然回帰による文明完全否定思想である。

それにしても、物質・消費文明や、階級・格差社会を肯定した
儒家の思想だけが生き残り、まさしく現代社会そのものである、
ということにオジサンは軽いショックを受けた今日この頃なのである。

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よかったですheart01(≧m≦)

投稿: | 2011年5月14日 (土) 20時12分

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