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2007年5月16日 (水)

デッドライン

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デッドライン (単行本)
建倉 圭介 (著)

メイド・イン・ジャパンで久々に面白いと感じた冒険小説である。
何だか昔読んだ景山民夫の「虎口からの脱出」を彷彿させる。

悪魔の兵器“原子爆弾”の誕生から原爆投下、
日本の降伏という歴史に翻弄される男と女の物語でもある。

また、物語の根底に流れるのは日本民族としての純粋なアイディンティテーと
迫害されるインディアンやイヌイット、アイヌといったマイノリティの静かな戦いであろう。

そして、男と女の努力も空しく広島と長崎に原爆は投下された。

ところで話はチョット変わるが京都も原爆の投下の候補地であった
ということを知っている日本人は少ないだろうなぁ、

戦争中、京都が爆撃を受けなかったのは、アメリカが京都の
文化財を守るために空襲しなかったからだ、と信じている人が多い、
しかし、これはまったくの誤解で京都が残ったのは
原爆の目標として温存された結果だったのである。

原爆目標選定委員会によって、京都が最も理想的な投下目標とされた理由
①百万の人口を持つ大都市。
②戦時下で罹災工業がこの都市に流れ込んできており、軍事目標を持つ。
③市街地の広さが東西2・5マイル、南北4マイルあり、人口密集地が広い。
④日本人にとって宗教的意義を持った重要都市であり、
 この破壊が日本人に最大の心理的ショックを与えることができ、
 その抗戦意欲を挫折させるのに役立つ。
⑤三方を山に囲まれた盆地であり、爆風が最大の効果を発揮しうる地形を持っている。
⑥知識人が多く、原爆のなんたるかを認識した彼らが政府に早期降伏を働きかける期待が持てる。
⑦まだ爆撃による被害をこうむっていない。

これが現実である。
また、米軍が日本の文化財を調査したのは事実である。これは保護を目的にしたのではなく、
戦後、日本の賠償保障額を算出するの必要だったからである。

幸いにも米陸軍長官ヘンリー・スチムソンが戦後日本の国民感情を
考慮して京都投下案に強硬に反対した。

「日本の古都はなぜ空襲を免れたか」を読めばその真相にビックリする。

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